【新刊紹介】道路橋床版の長寿命化技術

編集:
松井 繁之

発行:
森北出版㈱ 2016年9月16日初版 B5版 価格4800円(税抜き)

概要:
災害科学研究所 社会基盤維持管理研究会(委員長 松井繁之 大阪大学名誉教授)において、「道路橋床版長寿命化」編集委員会を立ち上げ、各分野の専門家が専門分野を分担し、道路橋床版の長寿命化に資する最新の情報を終結した技術書、松井繁之編著「道路橋床版の長寿命化技術」が発刊された。この書籍の概要は、次のとおりである。
供用年数50年を超過する橋梁が、これまでに建設された全橋梁数の半数を超える事態となっている。そのため、橋梁の長寿命化や維持管理の重要性がクローズアップされてきている。その中でも特に、通行車両の走行荷重がタイヤを介して直接作用する床版においては、劣化・損傷が継続的かつ繰り返し発生しており、時には重傷に至るケースも増加しつつあることから、再補修や補強よりも、取り換えといった抜本的な対策が望まれる事態となってきている。
この書籍では、社会基盤構造物である橋梁の老朽化といった社会情勢下で、道路橋床版の長寿命化のための「イノベーション」をキーワードとして、コンクリートと鉄筋やほかの鋼材との複合体である床版を、その長寿命化を阻害する環境作用(特に、水の浸入による劣化の促進)を受けて劣化損傷を発現する部材としてとらえ直し、各種の荷重作用や環境作用による影響度緩和技術や、劣化促進要因である水の浸入阻止・早期排水の新技術を紹介している。これらの新技術を橋梁構造の設計時、材料選定時、および維持管理時の各段階において活用し、床版長寿命化に資する新技術や新工法として創生・展開している。例えば、床版は、その上を絶えず走行する輪荷重により過酷な環境下にあり、交番作用する断面力により,ひび割れ劣化の進行は避けられないため、本書では、ひび割れの発生・進展の抑制に有効なせん断補強の重要性を主張している。
これらに加えて、損傷が著しく、補修、補強が困難な床版に対しては、大規模更新のための新構造の床版や新工法の防水工、舗装についても詳述することによって、損傷形態の違う様々な床版の補修・補強あるいは取り換えを適切に計画できるような構成となっている。

構成:

まえがき
第 1 章 序論
第 2 章 疲労耐久施工上のための構造改良
第 3 章 床版長寿命化のための水の制御
第 4 章 床版材料に関する長寿命化技術
第 5 章 PC床版を用いた橋梁の高性能化と長寿命化
第 6 章 合成床版の構造改良と適用事例
第 7 章 既設床版の補修技術
第 8 章 床版取替工法
第 9 章 橋梁長寿命化のための桁端部の構造改良

購入先:
http://books.rakuten.co.jp/rb/14394401/