沿岸新技術研究会

研究会名称沿岸新技術研究会 区分SPR-B[共同提案型]
委員長中村 孝幸 構成員30名
幹事長 南本 浩一
活動目的・内容 本研究会は、構造物による港湾域・沿岸域の防災的な側面のみならず、海域の環境保全・改善にも役立つ新規構造体や工法の開発を目標として設立したものである。

国立研究開発法人水産研究教育機構水産工学研究所との共同研究を行ってきており、いわゆる産官学の連携共同研究体制を維持してきている。

2022年度の研究概要は、以下のとおりである。
1. 一昨年度よりの継続課題である、港湾内における海水交換防波堤の効果的な配置法について、港内静穏度と港内平均流の制御という観点から引き続き検討を進めた。特に本年度は、水深変化を伴う港湾域を対象にして、海水交換防波堤に代表される透過性防波堤が平面的に配置されるときの港内静穏度を理論的に推定する数値解析法を新規に開発した。この際、透過性防波堤が複数個所に配置される場合にも、それらの相互干渉効果が考慮できるものとした。
2. 一方、海水交換防波堤の現地への利活用という観点から、海水交換防波堤の設計ガイドラインおよびマニユアルの整備についても継続的に検討を進めた。本年度からは、ジャケット式構造の遊水室型海水交換防波堤の設計ガイドラインについて取り掛かり、過去の実績を踏まえ、その概要の取りまとめを行った。 また、従来において、波浪制御効果等の予測が不十分であった、ジャケット式構造に代表される杭式防波堤を対象にして、その波変形や作用波力の理論的な推定法の再検討を行った。
前年度の活動

2022年度の研究会は、年度当初からのコロナ禍の状況を踏まえ、会員一同が会しての会議開催は難しいため、昨年度に引き続き、電子メールにて会議を行う形式を採用した。その概要は以下のとおりである。

1)2022年度第1回電子メールによる研究会 (11団体15人の発信)
議題の発信日:2022年9月7日(水)
発信者:研究会幹事 高見慶一(復建調査設計(株))
議題:
(1)<2021年度事業報告、2022年度事業計画、予算計画、予算案
(2) 話題提供
1) 杭式低反射型防波堤の消波効果と作用波力の算定法に関する再検討(中村担当)
(27スライド説明ファイル: 新規に狭領域減衰波理論に基づく、杭式低反射型防波堤まわりの波変形と作用波力の算定法を示すと共に、従来の実験結果や旧算定法による結果との比較からその有効性を紹介した。)

2) 港湾域での水深変化と透過堤の影響を考慮した波高分布の近似算定法(中村担当)
(31スライド説明ファイル:水深変化を伴う港湾域に複数の透過堤が配置される場合を想定して、港内波高分布の算定法を示した。この際、特に透過堤間の相互干渉効果が考慮できるものとした。)

3)ジャケット式海水交換防波堤の設計ガイドライン(そのⅠ)(河野、中村担当)
(33スライド説明ファイル: 現地で施工済みのジャケット式の遊水室型海水交換防波堤の建設事例を中心にして、設計ガイドラインの一部を紹介した。)

4) 漁場開発を兼ねた海洋漂流ごみの収集・集積施設の素案(河野、中村担当)
(4スライド説明ファイル:海水交換促進防波堤による平均流の生成機構を活用して、漂流ごみの収集方法の提案を行った。)

(3)その他
次回の研究会の予定について: コロナ感染の収束が前提で、12月前半に対面方式による第2回沿岸新技術研究会の開催を予告。(ただし、コロナ禍のため中止)

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