空中物理探査データの活用研究会

研究会名称空中物理探査データの活用研究会 区分SPR-A[災研提案型]
委員長松井 保 構成員17名
幹事長 上出 定幸
活動目的・内容 本研究会は、空中電磁探査や空中磁気探査などの空中物理探査により得られる、広域斜面を主体とする山体を対象とした3次元地盤情報データに基づいて、災害発生のトリガーとなる地盤構成・特性や災害発生の恐れのある山体(斜面)の抽出手法の開発を目指すとともに、山体(斜面)災害の防止に活用することを目的とする。
具体的な研究内容は、以下のとおりである。
(1) 空中電磁探査による比抵抗構造が示す山体(斜面)内部構造について、別途、取得された地形・地質・地下水情報との対比分析に基づいて検討し、 深層崩壊や浅層崩壊の発生に関係するとされる要因との対応を分析する。
(2) 空中電磁探査データの最適な表現手法を検討するとともに、深層崩壊や浅層崩壊の発生の恐れのある山体(斜面)の抽出手法を検討する。
(3) 空中磁気探査による磁力構造に基づいて、斜面災害を引き起こす山体(斜面)内部構造が把握できる可能性を検討する。
(4) ドローンを用いた空中電磁探査の探査手法や探査精度について検討するとともに、山体(斜面)内部構造把握への適用性について検討する。
(5) 空中物理探査マニュアル、深層崩壊に関する予知マニュアルの作成について検討する。
なお、研究成果は、学協会等への論文発表等により公表する予定である。
前年度の活動

以下に、研究会の実施状況を示す。
第13回空中物理探査データの活用研究会 2022年6月6日
1.話題提供と討議
1)木下委員(土木研究所)
・輝度に着目した、カメラ画像を用いた土砂移動検知システムの検討(R4砂防学会発表)
・夜間におけるカメラ画像を活用した雨量推定手法の検討(R4気象学会発表)
・ヘリコプターおよびドローン空中電磁探査を活用した、紀伊山系での深層崩壊の危険性が特に高い斜面の抽出方法
2)瀬戸委員(応用地質(株))
・砂防関係施設の長寿命化に関する取り組み
3)河戸幹事(大日本コンサルタント㈱)
・奈良県天川村栃尾地区における複合物理探査による重力変形斜面の内部構造(R4砂防学会発表)
4) 城森幹事(㈲ネオサイエンス)
・ドローン空中電磁探査に適した送受信配置
第14回空中物理探査データの活用研究会 2022年9月2日
1)木下委員(土木研究所)
・長崎で過去に発生した土砂災害と今後の対策について(長崎大学市民公開講座「自然災害から身を守る」)
・室内人工降雨実験によるカメラ画像から雨量強度を推定する手法の検討(第11回土砂災害に関するシンポジウム論文集)
2)竹下委員(大規模土砂災害対策技術研究センター)
・地層境界が存在する那智川支川流域における渓流水の水質形成機構と表層崩壊発生検知への応用に向けた予察(第11回土砂災害に関するシンポジウム論文集)
3)山内幹事(応用地質㈱)
・3次元電気探査の紹介
4)金山委員(大日本コンサルタント㈱)
・自然災害伝承碑の調査-日本応用地質学会災害地質研究部会における取組事例
5)城森幹事(㈲ネオサイエンス)
・ドローン空中電磁による地下水探査-誘電率を用いた地下湿潤の検出-
書籍等作成進行状況:
・空中物理探査の探査入門書・手引書(仮称)の出版を目指すこととした。また、構造物別事例の執筆例が示された。
第15回空中物理探査データの活用研究会 2023年1月18日
話題提供:(各話題提供に関する資料を配布)
1)木下委員(土木研究所)
・ドローン空中電磁探査を用いた徳島県有瀬地区地すべりにおける地盤の比抵抗特性(物理探査学会2022)
2)竹下委員(大規模土砂災害対策技術研究センター)
・栃尾地区における空中電磁探査の調査成果
3)山内幹事(応用地質㈱)
・分散型電気探査装置を用いた3次元電気探査の適用例(全地連技術2019)
・独立型フルウェーブ電気探査装置を利用した実用的な三次元電気探査の測定方法の検討(物理探査学会第141回講演会論文集2019)
・三次元地盤モデル構築のための電気探査の活用方法(第55回地盤工学研究発表会)
・地すべり対策のための3次元可視化技術および地下水排除工の適正配置
4)横山委員(国土防災技術㈱)
・大規模崩壊発生に関わる地下水帯構造
5)城森幹事(㈲ネオサイエンス)
・フラックスゲート磁力計を用いたドローン空中磁気探査
特別講演:木村智浩氏(CGG(イタリア、ミラノ)の解析部門)
以下に示す話題提供があった。
・長年海外(北米、オーストラリア、南アフリカ等)で空中物理探査に関わってきた経験、これまでの変遷、現在の状況について
・日本と海外での空中物理探査の経験からの両者の違い(目的、規模、単価等)などについて
書籍等作成進行状況:
・空中電磁探査実施事例一覧表の作成(横山・瀬戸委両員で作成)
・第1次原稿の作成は、2022年9月半ばまでとする。各章・項については、担当者間で調整を行う。出版予定は、2023年12月末とするが、原稿執筆の進捗状況によって決定する。

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