【新刊紹介】東日本大震災の津波から学び 粘り強い盛土で減災

常田賢一,秦 吉弥 著
発行:理工図書(株) 平成28年4月初版 A5版 264p. 定価3000円(税抜き)

主旨・内容:
2011年3月11日14:46に東北地方の太平洋沖を震源とするマグニチュード9.0の巨大地震(東日本大震災)が発生し,津波による死者・行方不明者が2万人を越える未曽有の災害になりましたが,近年,1983年日本海中部地震,2003年北海道南西沖地震の津波被害を経験していたにも関わらず,津波災害が繰り返されました。
これまでの復興の5年間では、粘り強い防潮堤,多重防御・高台移転による各種の事業が実施されて来ていますが、津波防災において,避難地,津波防潮堤,居住地などにおける多様かつ有効な盛土の活用のためには,盛土の耐津波性について十分な理解が必要です。
本書は、東日本大震災の5年目を節目として,将来の南海トラフ巨大地震が危惧される現在,これまで実施してきた現地調査,室内実験および津波シミュレーションなどから得られた,盛土の耐津波性,その向上策に関する知見,現在,全国で取り組まれている津波防災のための盛土の多様な活用事例を紹介しています。なお,津波の越流による破堤から,2015年関東・東北豪雨の河川堤防の越流破堤との類似・差異にも言及しています。
このように,将来の津波防災において,従来の防潮堤と比較しても遜色が無く,さらに防潮堤には無い,固有で優れた機能を有する盛土が,本書により正しく理解され,その多様な活用により,将来の津波減災に資することが望まれます。

構成:
第 1 章 地震動と津波の特性から学ぶ
第 2 章 津波被害から学ぶ
第 3 章 津波による現象から学ぶ
第 4 章 津波防災の姿勢を明確にする
第 5 章 盛土による防潮を位置づける
第 6 章 盛土の越流侵食を知る
第 7 章 盛土の難浸透性を知る
第 8 章 盛土の粘り強さを向上する
第 9 章 津波前の地震動に注意する
第10章 盛土による多重防御を考える
第11章 津波に対する盛土の活用を知る
第12章 盛土および津波防災の今後を展望する
あとがき
新刊表紙
表紙

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