社会基盤維持管理研究会

研究会名称社会基盤維持管理研究会 区分SPR-A[災研提案型]
委員長松井 繁之 構成員125名
幹事長 古市 亨
活動目的・内容 活動内容:

(1)活動の目的
本研究会は、任意の勉強会として活動していたものを改組し、2008年度から「社会基盤維持管理研究会」として活動を始め、社会基盤構造物に関する以下の事項について検討することを目的としている。
1)維持管理および補修・補強に関する技術
2)安全性・使用性等の評価技術
3)上記を基にした維持管理および補修・補強マニュアル(案)の作成
4)社会基盤管理者への構造物維持の技術支援の社会貢献活動

(2)研究会構成
法人会員33社、名誉・個人会員33名、学術会員7名 総会員数125名
前年度の活動

(3)2023年度の活動報告

1)総会および講演
2023年6月30日(水)13:30 ~16:30に、ドーンセンター セミナー室において、総会を開催し、2022年度の活動報告と会計報告を行うとともに、2023年度の活動方針と活動予算を決議した。また、3名の委員の講演もオンラインで実施した。

2)インフラメンテナンス国民会議 近畿本部フォーラム2023への参画
2023年5月18日~19日に花博記念公園鶴見緑地 ハナミズキホール・付属展示場花博記念ホールで開催された「インフラメンテナンス国民会議 近畿本部フォーラム2023」へ一般社団法人近畿建設協会と協同でブースを出展した。市町村維持管理に特化した内容であったが、多くの市町村関係者と意見交換を行うことができた。

3)社会基盤維持管理研究会「兵庫県但馬地区見学会」の実施
2023年度はコロナにより開催が延期されていた、会員の現場研修によるスキルアップおよび会員間の技術交流を目的とした、橋梁の維持管理に関する現場見学会を実施した。開催概要を以下に示す。
1)開催日時:2023年9月29日(金)~30日(土)
2)見学橋梁:神子畑鋳鉄橋、城崎大橋、余部橋(余部鉄橋跡:空の駅)
3)見学会参加者:全31名

(4)土木構造物の損傷評価、技術研修会の開催と目安箱活動
一般社団法人近畿建設協会からの要請で、日常点検結果に関する評価業務について、研究会会員よりワーキング(25名)を組織して、4地域7回の現地踏査と計3回の検討会を開催した。現場踏査および検討会には研究会員ならびに近畿建設協会の技術者、市町村職員が参加し、損傷の観察と原因に対する討議を行うとともに、損傷橋梁に対する健全度の評価を行った上で対策方法の提示を行った。また、昨年度に引き続き、講習会(主催、後援)を下記日程および地域で開催し、橋梁の点検・調査、対策工法に関する現場研修と技術支援を実施した。
1) 2023年11月10日:兵庫県但馬地区講習会(兵庫県豊岡市)
2) 2023年12月18日:八尾市講習会(八尾市)
3) 2023年 2月18日:奈良県講習会(奈良県大和郡山市)
また、目安箱活動として、但馬地区既設1橋梁、伊丹市2橋梁の劣化・損傷原因推定対応方針検討を実施し、その活動報告の1つとして,令和6年度土木学会全国大会に3編の論文を投稿した。

(5)書籍の出版
前述の4)土木構造物の損傷評価,技術研修会の開催と目安箱活動に関連して、市町村職員の維持管理に関するサポートを目的とした下記の書籍を近畿建設協会と共著で出版した。
・市町村が管理する橋梁の維持管理ハンドブック
(劣化・損傷、対策事例と対策優先順位策定手法)
発売:一般社団法人 近畿建設協会

(6)今後の展望
2024年度は、社会基盤の維持管理に関する「技術講習会」の開催を予定している。また、2023年度に続き、近畿地区橋梁の点検結果に関する評価業務の支援を行うとともに、近畿地区市町村の橋梁の維持管理に携わる技術者を対象とする研修会を実施する予定である。

今年度の活動

高度成長期に建設された橋梁を初めとする社会基盤構造物のストックは膨大になり、多くの橋梁が老朽橋に変化し、経年による種々の損傷劣化を呈している。我国の経済状況では、これらの経年構造物を取り替えることは非常に難しく、補修・補強等の維持管理を施すことによって長寿命化させることが時代の要請である。このような状況のもとで、本研究会は、会員各位の維持管理に関する情報収集と修得してきた知識をもって、道路管理者等への維持管理業務の支援、管理技術指導をする社会貢献活動も行っている。特に、2014年からの市町村における長寿命化修繕計画の策定からは、市町村を中心に、道路および鉄道構造物の保全業務に携わる技術者を対象に講習会(研修会)等で公開することにしている。2023年度は4年ぶりに2023年9月29~30日の日程で、施工中のPC箱桁橋である城崎大橋,鋳鉄製の神子畑橋梁,鋼橋からPC橋に架け替えられた余部橋りょうの見学会を実施した.また、例年通り、近畿圏の地方公共団体の橋梁技術者を対象とした橋梁維持管理全般に関する技術研修会を各地で開催し、社会貢献活動および研究会の成果公表を行ってきた。2024年度も引き続き、地方公共団体を対象とした講習会・研修会を通して社会貢献活動、および研究の成果公表を継続的に実施する予定である。また、2024年度は地方公共団体の職員、民間の維持管理関連技術者を対象とした「中小規模橋梁の維持管理に関する技術講習会(仮)」を開催し、社会基盤に関わる技術者のスキルアップに貢献していく予定である。

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