研究会名称 | J-ティフコム技術研究会 | 区分 | SPR-B[共同提案型] |
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委員長 | 松本 高志 | 構成員 | 30名 |
幹事長 | 三田村 浩 | ||
活動目的・内容 | (1)活動の目的 劣化損傷が増大しているコンクリート構造物の補修・補強が全国で実施されている。これらの補修・補強には多種多様な工法が使われているが、いずれも早期に再損傷が発生している。そこで、このような問題に鑑み、コンクリート構造物、特に既設橋梁の床版部位に対する補修・補強工法の一手法として、損傷に起因する劣化因子を遮断し、構造部材の剛性向上も見込める超緻密高強度繊維補強コンクリート(以下:J-THIFCOM)の研究開発を行っている。 令和5年度は、コロナ感染も落ち着き、設計・施工マニュアル(案)の加筆修正を経てこれらを普及するため、「コンクリート構造物の補修・補強に関するフォーラム2023」で東京、大阪をはじめとする全国8ケ所の会場で講演した。 次に、NEXCO東の公募(PC床版の上面防水層にJ-ティフコムを施工)に参加、各種実験を実施している。さらに、既設橋梁床版にJ-ティフコムを薄層で補修した場合の劣化した床版に対して補修後の耐荷力がどの程度向上するのかを定量的に評価するため、床版の一般的な損傷形態であるコンクリートの押し抜きせん破壊に着目して、劣化損傷0.5程度を与えた床版に対して輪荷重載荷試験機を用いて検証を実施し、現在も継続している。 また、過去の実験結果よりJ-ティフコムを床版上面に補修した場合の押し抜きせん断耐荷力の算定式をJ-ティフコムせん断試験結果を考慮した評価も行った。これらの成果については、令和5年度のJCI全国大会(査読有り2編)で発表した。 さらに、発注機関や設計コンサルタントへのプレゼンや技術説明を実施するとともに、各ブース展への出展にも積極的に参加している。本材料の評価向上のため、国立開発研究所との共同研究や技術審査等に登録し、全国への普及を促し、我が国の国土強靭化の一手法になるよう研鑽している。 |
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前年度の活動 | (2)令和5年度の活動報告 (3)今後の展望 |
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今年度の活動 | 過年度から進めてきている、近い将来安全性を損ねると予想される鋼・コンクリート構造物の損傷に対する対策工法の一手法として、既設橋梁の床版部の補修・補強を目的として、損傷に起因する劣化因子を遮断し、かつ剛性向上も見込める超緻密高強度繊維補強コンクリート(以下:J-ティフコム)の研究開発を進めてきた。このコンクリートは現場で練混ぜ・現場で連続打設を可能にすることで、継目をなくした一体構造となる部材への補修・補強が提供できる。また、材料の性能および設計法の詳細や構造物への補修補強の最適化などをまとめた、設計・施工マニュアル(案)を発刊した。さらに継続している国立研究開発法人土木研究所との共同研究(床版の補修工法と防水機能を有する橋面舗装の2テーマ)を実施している。併せて、J-ティフコム補修床版の疲労耐荷性を検証するため補修床版の押し抜きせん断試験を実施し、平成29年の道路橋示方書に示す設計耐久期間100年以上に相当する床版の疲労耐久性をJ-ティフコム補修床版で確認することができた。なお、これらの研究成果はJCI論文、土木学会論文に投稿した。2024年度は、示方書の改訂、実験等に伴うマニュアルの加筆修正、協会員への設計・施工に関する技術習得のWeb会議や講習会の体制を構築する。さらに、近年の本工法の展開を考慮して専用の大型自動ミキシング機械の技術開発を行う。また、国土交通省やNEXCO各社(公募案件)に対する技術的案件への参加を行うとともに、全国講習会の実施、各シンポジュウムの参加等を実施しインフラ整備の重点化に配慮した社会貢献の責務を果たすべく技術研鑽を行う。以上の研究成果は論文、Web講習会等を開催して広く公開する。 |
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研究会からの お知らせ | 特になし |