沿岸新技術研究会

研究会名称沿岸新技術研究会 区分SPR-B[共同提案型]
委員長中村 孝幸 構成員30名
幹事長 南本 浩一
活動目的・内容 本研究会は、構造物による港湾域・沿岸域の防災的な側面のみならず、海域の環境保全・改善にも役立つ新規構造体や工法の開発を目標として設立されたものである。国立研究開発法人水産研究教育機構水産工学研究所との共同研究を行ってきており、いわゆる産官学の連携共同研究体制を維持している。令和5年度は、開発を行った海水交換防波堤の特許の有効期限が満期を迎え、公開特許となる節目の年に当たる。このため、昨年度までの研究課題および事業課題の取り組みに加え、研究会の会員の海水交換防波堤を含む海洋施設の機能設計および耐波設計に関する技術的なノウハウの習得と技術指導に努め、これら施設の設計や計画等に関する優位性が保たれるようにした。
前年度の活動

令和5年度の研究会は、昨年度までのコロナ禍の状況から解放されたことにより、久方ぶりに会員一同が会しての対面方式での会議を開催した。このため、今までのオンライン形式での会議開催では意思疎通が難しいと思われた話題提供について、各会員から主体的に講演していただいた。その概要は以下のとおりである。

第1回研究会(8団体11人の出席)
開催日時:令和5年10月6日(金) 13時30分~17時00分
開催場所: 極東興和㈱大阪支店会議室(大阪市淀川区西宮原1-8-29)

議題
○ 開会挨拶(会長:中村会長)【13:30~13:35】

1.研究会に関する報告(中村会長) 【13:35~14:00】
(1) 令和4年度事業報告
(2) 令和5年度事業計画
(3) 会則および会員一覧表の確認

2.話題提供(各講演の質疑応答10分と休憩時間を含む)【14:00~16:55】
(1)傾斜版列型二重式カーテン防波堤の効果の予測法に関する再検討
(復建調査設計株式会社:高見慶一氏)【14:00~14:35】
(2)下部通水式スリット型防波堤による波浪制御効果と海水交換特性に関する研究
(株式会社荒谷建設コンサルタント:佐伯信哉氏)【14:35~15:10】
(3)一様斜面を設けた共振装置による長周期波の制御効果
(株式会社荒谷建設コンサルタント:濱野直矢氏)  【15:20~15:55】
(4) 津波の流れに対する防波堤マウンド被覆ブロックのイスバッシュ数の検討
(三省水工株式会社:河村裕之氏) 【15:55~16:30】
(5) カーテン壁型海水交換防波堤の各種水理量に関する再検討
(中村会長)【16:30~16:55】

閉会挨拶(出口副会長)【16:55~17:00】

今年度の活動

本研究会は、構造物による港湾域・沿岸域の防災的な側面のみならず、これら海域の環境保全・改善にも役立つ新規構造体や工法の開発を目標として設立されたものである。これまで約20年間にわたり、水産研究・教育機構水産工学研究所(国立研究開発法人)との共同研究を実施し、共同研究の成果として各種の構造の海水交換防波堤の開発を進めてきた。現在、ジャケット式構造や重力式構造等については、現地において施工され、実用に供されている状況にある。令和6年度は、開発を行った海水交換防波堤の特許の有効期限が満期を迎え、一般公開されてから1年目に相当する。このため、昨年度までの研究課題および事業課題の取り組みに加え、研究会の会員の海水交換防波堤を含む海洋施設の機能設計および耐波設計に関する技術的なノウハウの習得と技術指導を継続的に進め、これら施設の設計や計画等に関する優位性が保たれるようにする。

具体的には、海水交換促進型防波堤の機能設計や耐波設計のために開発してきた数値解析法を研究会の会員が習得できるように技術講習会をオンライン会議などを活用して開催し、海水交換防波堤の設計等が容易に実行できるようにする。特に今年度は、海水交換防波堤による消波効果や海水交換量などの予測法について断面2次元的な取扱いを紹介する。この際、数値解析法としては、建設現場でも利用できるような簡便なものとし、将来的に一般公開を含めた汎用性の高いものとする。

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